DNA解析


東北大法医学分野 トップ > DNA解析

DNA(deoxyribonucleic acid, デオキシリボ核酸)

DNA : 生物の遺伝情報を担っている化学物質である。
DNAの基本構造であるヌクレオチドは,デオキシリボース(五炭糖)リン酸塩基で構成される。
DNAの塩基はアデニンシトシングアニンチミンの4種類がある。



3塩基の並び(コドン)によって1種のアミノ酸が作られ,コドンの並び(コード配列; 遺伝子の塩基配列)がタンパク質の設計図となる。
2本のDNA鎖は,相補的な塩基(A/T,G/C)による水素結合を介して二重らせん構造をとる。




 法医学領域におけるDNA鑑定

DNA鑑定 : DNAを構成する塩基配列の違い(個人差)を用いてグループ分けする方法である。

法医学領域で用いられる鑑定
  個人識別,親子鑑定 … DNA多型
  性別判定 … 性染色体の識別(XY:男性,XX:女性)
  人獣識別(ヒトであるか否かを判定) … ヒト特異遺伝子の検出

DNA多型 
 多型(polymorphism)とは,塩基配列の違い(個人差)が集団の中で1%以上の頻度で存在しているもの。
  【 参考 】 1%未満のものは 「突然変異」 と呼ばれる。
 多型マーカー : DNA分析においてマーカーとなる塩基配列。
  STR(short tandem repeat, 反復配列多型) … 広く利用されているDNA鑑定法で,数塩基単位で違いをみる。
  SNPs(single nucleotide polymorphisms, 単一塩基多型) … 一塩基単位の違いをみるのでSTRよりも個人識別の精度が低い。


 DNA鑑定の方法

 DNAの抽出 
  試料 … 血液,体液,組織(爪,毛,骨,口腔粘膜)など
 DNAの増幅
  PCR(polymerase chain reaction)法 … 試料DNAの目的とする領域部位を大量に増幅する。
 DNA型の検出・判定
  電気泳動法など … 増幅したPCR産物からDNA多型などを検出する。

 図: DNA分析の流れ



DNA解析 トップ                                      

Copyright (c) 2009, Forensic Medicine, Tohoku University